看護師の給与相場について

月額と年収について

給与を考える場合、単純な給与の月額(時間外手当等の諸手当を含む)だけでは、正確な比較ができません。やはり年収をベースに考えるのが一般的です。特に勤務の初年度は、勤務先の規定や入職の月などにもよりますが、試用期間中の制限があったり、賞与が満額支給されなかったりします。
給与で決定的な差がでるのは、賞与の支給額です。大学病院など規模が大きい病院などは、基本給の4から6ケ月程度が支給されるケースが多いようですが、規模が小さくなるに従って賞与の支給額が少なくなり(新規開業のクリニックなどでは、支給がないケースも多く見受けられます)、たとえ月額では差があまりなくても、年収ベースではかなりの開きが出てきます。
一般的には、勤務する病院の規模が小さくなるに従って、年収も下がる傾向にあります。

看護師・准看護師 男女別の年収
(単位:万円)
事業所規模   看護師(女) 准看護師(女) 看護師(男) 准看護師(男)
全体 給与月額 31.51 27.88 32.99 27.98
年間賞与 84.84 71.5 88.65 69.06
年収 462.96 406.06 484.53 404.82
1000人以上 給与月額 33.68 33.19 34.08 28.95
年間賞与 110.95 108.64 94.17 73.7
年収 515.11 506.92 503.13 421.1
100から999人 給与月額 30.97 28.43 32.79 27.86
年間賞与 78.46 75.01 88.47 71.02
年収 450.1 416.17 481.95 405.34
10から99人 給与月額 29.94 26.57 33.02 28.3
年間賞与 65.86 62.77 82.67 62.65
年収 425.14 381.61 487.91 402.25

※出典:厚生労働省「平成15年賃金構造基本統計調査」

新卒時の給与は高いが上昇率は低い

表1:看護師全国平均給与(単位:万円)
新卒 経験5年 経験10年 新卒から経験10年の上昇率
341 402 452 32.55%
表2:年齢階層別の平均給与(国税庁発表 平成17年民間給与実態調査より)
20-24歳 25-29歳 30-34歳 新卒から経験10年の上昇率
250 340 405 62.00%


国税庁発表の民間給与実態調査(表2)と比較すると、看護師は、新卒の初任給は高いものの、経験を積んでも上昇率が低いことがわかりました。ただし、他の職種に比べて看護師の給与の支給額自体の水準は、どの世代でも高いこともわかります。

給与の地域格差


平均年収を地方別に見ると、関東・近畿・東海の三大都市圏を中心とする地域で総じて 高いことがわかりました。逆に低いのは、東北・中国・四国地方となっています。 最も高いエリアと低いエリアとでは、各経験年数ともに80万円以上の開きが出ています。

新卒 経験5年 経験10年
近畿 376 関東 435 近畿 489
関東 372 東海 429 関東 487
東海 368 近畿 428 東海 474
北海道 357 北海道 418 北海道 473
北陸信越 347 北陸信越 399 北陸信越 461
九州沖縄 321 九州沖縄 392 中国 431
中国 316 中国 379 九州沖縄 418
四国 309 東北 368 四国 413
東北 295 四国 347 東北 409

臨床から離れた職場を考えている方へ


看護師としての職場は、臨床の現場だけとは限りません。社会人として一般企業で働く場合でも、医療関連の企業で働く場合でも、「実務経験」が当然重視されますが、その給与体系は、看護師の業務を想定しているわけではないので病院のよう整備されていないのが通常です。多くは、前職での収入や、用意されたポジション固有の業務を考慮して決定されます。

求人の内容に応じて臨機応変に対応してもらえる場合や、就業規則で定めているので他の職員に準じた給与体系のみで例外は認めない場合など  企業の数だけ、また求人の数だけ様々なケースが出てきます。

多くの場合、医療の専門家として頼りにされ、とっさの事態に対応し救急処置ができる、しかも的確な判断を一人ですることが求められています。

また、今までの実務経験を問わず、単純に「資格取得者」を求めている求人(とり急ぎ「資格」が欲しいだけの求人)もありますし、それまでの現場経験を活かし、人と人との間に入って、スムーズに職場が運営できるよう環境づくりをしていくような能力を期待される(人間関係を調整していくような立場で働ける能力を求められる)求人もあります。

いずれにしても、給与相場という観点から見れば、企業等に看護師を紹介した実績が豊富な人材紹介会社のコンサルタントに、過去の求人と比較した場合、客観的にどうなのかをアドバイスしてもらうのが現実的です。

看護師の給与は、勤続年数や年齢・職位・働く場所などによっても変わってきます。いったん社会人になってから看護師の資格を取得する人も増えてきています。また看護師とひとことでいっても、その働く環境や仕事の内容は多岐に渡っています。詳しく分けていけば、数えきれないほどのパターンが出てきます。給与の額もそのパタ ーンに応じて、また時代の要求にも応じて変わってきます。給与相場は変動しているものであり、知識としてあくまでも参考程度に。看護師として、また社会人として、どこで勤務しても恥ずかしくないキャリアを磨いておくことが大切です。